看護ケアとは?患者さんへの対応から見る看護師の役割

「看護」と「ケア」、また、「看護ケア」という言葉について、具体的にどのような違いがあるのかよくわからないという方は少なくありません。ケアという時は、ケアする人の心身の状態に応じて行う業務のことで、介護職の業務についても言われます。

一方、看護師の業務もケアですが、より専門性の高い業務、点滴や服薬管理、診察の補助等を指します。

日本看護協会によると、看護とは、さまざまな年代の人たちを対象に、あらゆる場面であらゆる状態で、独自に、もしくは、ほかの人たちと共同で行う「ケアの総体」とのことです。看護師は、病気で苦しむ人たちの治療を補助したり療養のお世話をしたりといった役割を担います。大切なのは、一部分だけを担うのではなく、対象者を全体的に看護し、それに必要なケアを提供するのが看護師の役割だということです。

日本看護協会の看護師の定義には、すでに「ケア」という言葉が含まれています。では、なぜ「看護ケア」という言い方がされるのでしょうか。「ケア」とは英語の「care」、つまり、援助という意味の言葉です。患者さんの援助とは、看護そのものを指します。

一方、介護の業務もケアと言われますが、介護の場合、対象者の食事や排泄、入浴などの介助、調理や掃除など生活上の必要な支援を指して「ケア」と呼びます。要は、介助という一部分のケアが介護のケアです。

看護のケアとは、そうした一部分だけでなく全体的に見て必要なことすべてを指します。「看護ケア」と言う時は、看護師ならではの専門性を示すような、看護の中核を指すと考えてもよいでしょう。