参考にできる文献の信憑性について

看護ケアを深めたい方は、看護研究に注力してみてはいかがでしょうか。看護研究の検索・検討する文献には、多くの種類があります。ネットで無料で読めるもの、ネットで読めるが有料のもの、また、書籍を購入しなければならないものなど、さまざまです。その中でも、文献の種類によって信憑性が違うのをご存じでしょうか。看護研究に参考・引用するには、信憑性の高い文献を選びたい方がほとんどでしょう。そこで、看護研究の文献を信憑性の高い順にお伝えしようと思います。

さまざまな文献中、最も信憑性が高いのは体系書や教科書と呼ばれるものです。すでに知見として看護学に定着している文献なので、看護研究のあらゆる分野で有用な情報源となります。なお、これらの文献はネットで無料閲覧できるものではなく、基本的には購入するか図書館で借りるしかありません。

総説も信憑性の高い文献の一つです。これは、先行研究をその分野の権威者が批判的視点を交えて考察したものになります。内外の知見を多角的な視点から集めたうえで考察した内容なので、信憑性は非常に高く、そのまま看護研究の参考文献にできるでしょう。

原著論文という種類もあります。いわゆる学術論文のことで、実施した研究について、その方法、結果、分析、考察などが詳細に記載されています。ネットで無料で閲覧できるものが多いので便利ですが、論文の内容がすべて十分な信憑性を備えているとは言い難いです。不十分なデータによる分析で、結果に不備があるものも混じっていることに注意してください。

研究会や学会での発表をまとめた会議録やレター論文も文献の一種ですが、これは看護研究の参考に適しているとは言い難いです。口頭での発表を簡単にまとめただけのものなので、資料が十分ではなく信憑性も低いでしょう。

看護研究の成果を看護ケアに取り入れてみてください。